2013年2月24日日曜日

雑記 インジェクション用語編

少しアッガイ記事を休んで、
インジェクション(射出成形)用語について。


ガンプラを始める様になって、
模型の世界の言葉も
ちょっとずつ覚えていってる訳だけど、
一つだけ気になる言葉が…

『ヒケ』

インジェクションの用語でもあるけど、
模型の世界では、
ヒケじゃないものも『ヒケ』に
括られてる様な気が。

そんな訳で、
自分の知ってる範囲で
インジェクション用語と
実際のKitの状態をまとめてみる。

射出成形事例①

現在作成中のMGアッガイより、
バックパック外装部分。

写真写りが悪いけど、
ここに3種類、成形時に発生する現象が。

ヒケは青丸の部分が顕著。
ヒケ=陥没って言うのが分かりやすいのかな。
熱収縮で冷めると凹む現象です。

で、模型の世界でよく『ヒケ』
と言っている気がするのが赤丸部分。
実際には、『ウェルド(ライン)』。
ゲートから流れ込んできた樹脂が
合流する地点で、温度差によって
どうしてもできてしまうもの。

『ヒケ』と『ウェルド』は
解決策が相反するので、
技師が一番頭痛めるとこじゃないかな。

プラモの世界では
ヒケはパテ埋めで整面、
ウェルドはヤスリ掛けで対策。

ウェルドは消すって言うけど、
実際の所は光沢を揃えて
誤魔化してるだけだったりする。

射出成形事例②
射出成形事例③

 
因みに、同じパーツでは、
左側面にウェルド、右側面には表面疵。

このパーツの表面疵は、
多分、輸送ダメージだと思われます。
私はエンジニアじゃないので、
あくまで多分です。

射出成形事例④

 
続いて、MGアッガイの
台座パーツに付いてたパーツ。

写真が眩しすぎてドぎついけど、
オレンジの丸が『パーティングライン』、
緑の丸が表面疵、黒丸が『ゲート痕』。

P/L・ゲート痕、
この辺は説明はいらんでしょう。

ここの表面疵は、
PLに対して垂直なので、
離型時のカジリかもしれません。

その可能性を示すのがこちら。

射出成形事例⑤

 
台座パーツの裏側。
たくさんの紫の丸はピン跡です。

これは型が開く時に、
成形品が離型しにくい為に、
イジェクトピンで押してると言う事です。

裏を返すと、押してやらなかったら
歪み易いパーツって事ですね。

という訳で、表面疵でも
色んな種類があったりします。

さっき、ゲート痕が出てきたのでもう1枚。

射出成形事例⑥

RG最大の特徴である、
アドヴァンスドジョイント。

無数のゲート痕、
気になる人もいるでしょー。

アドヴァンスドジョイントは、
どういう仕掛けなのか
さっぱり想像つかないんだけど、
インサート成形って先端技術です。

で、(先に?)流した材料を
サブマリン機構でゲート処理した跡が
こんな風にいっぱい残ってる訳ですね。

どっちにしても、相当な精密型で
すんばらしい成形技術を
バンダイが持ってるのは確かな事です。

最後にもう1枚。

射出成形事例⑦
 
MGアッガイのエフェクトパーツ。
茶色の丸の部分にあるのが『ボイド』。
簡単に言うと気泡です。

パチ組・素組の人は、
クリアパーツでしか拝む事はないでしょう。

RG ZかMk-2のどっちかで、
わざとこれを起してる様な
メインカメラパーツがありました。

ホントに狙ってやったんだったら、
すんごい設計してますよ。

こんな記事書いたんで、
工場見学申し込んでばれてたら、
即断られる気がする。

樹脂成形の世界は、
比較的エンジニアが不足してる
業界なので、若い人に
ちょっとでも興味持ってもらえれば、
この記事も少しは報われるかも?

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